
居住ビザをスウェーデン国内から得る方法
こんにちは、Usa(@swedenjoho)です。
スウェーデンで暮らすために必要な居住ビザ申請には原則申請者母国からの申請が必須なのですが、実はスウェーデン国内からの申請も可能なのはご存知ですか?
この申請方法は『Inifrån-ansökan(イニフロン・アンソーカン)』と呼ばれるものです。
国内申請はスウェーデンに仕事があるなど、すでにスウェーデンでの生活が定着している方などが居住ビザの更新のために行います。
この申請方法の対象となる日本人の方はあまりいないかもしれませんが、今回はご参考までにその例をご紹介して行きたいと思います。
居住ビザのステイタス・チェンジ
一つ目の国内申請方法は、既に持っている居住ビザから他の居住ビザに変更手続きの申請をする方法です。
これをスウェーデン語で『Statusbyte(ステイタスビュッテ)』と言います。
この申請には観光ビザからは出来ません。
観光ビザでスウェーデンに入国した場合は一旦日本に帰国し、日本から申請することになります。
よって、このステイタス・チェンジの申請対象者は労働ビザをお持ちの方、学生ビザを持っている方などに限られます。そして、この場合の申請書類は手書き印刷したものを移民省へ郵送します。
ビザ審査氷河期の2015年から2017年ぐらいまでは、労働ビザからのステイタス・チェンジの申請も他の居住ビザの申請と同様、申請が通るまで1年半から2年近くかかっていました。
学生ビザからのステイタス・チェンジも同様です。同時期だと長い方で2年かかったそうです。
スウェーデンに居住許可がある学生ビザからも、別の居住ビザ(サンボビザ等)に変更希望の場合にステイタス・チェンジの申請が適応されますが、この申請には条件があります。
学生ビザからの居住ビザ変更の申請者には
◇Högskola(ホーグスクーラ*専門大学)、Universitet(総合大学*学位習得可)などの大学の入学許可を得てスウェーデンに居住している
◇大学の高等教育もしくは大学院教育の30単位(Högskolepoäng:ホーグスクーラポエング)を取得している
以上の項目を満たしていることが条件になります。
ですので、単位取得がない専門学校等の学生はステイタス・チェンジの申請は出来ません。
ただご注意いただきたいのは、これら国内申請対象者に該当するスウェーデン居住者でも申請が却下になるケースもあります。
過去には労働ビザからでも申請許可が下りない方がいらっしゃったり、労働ビザの一種『Au pair visa(オウペアー)』という“住み込みのベビシッター兼家政婦の居住ビザ”があっても申請却下になる例がありましたので、確実に申請が通るものではないことはご留意ください。
次に2つ目のちょっとハイリスクな国内申請方法をご紹介します。
二つ目のリスク大の国内申請とは?
そして、もう一つスウェーデン国内から申請して許可が下りる例がスウェーデン人国籍者との間に子供がいる場合です。
これは申請時に妊娠中で、特に居住ビザを持たない場合にも申請自体は可能です。
しかしながら、妊娠していようと申請が通るかどうかは別問題で申請は大きな賭けになります。
スウェーデン人国籍者との間に子供がすでにいる場合、申請はほぼ通ります。
しかし申請時に妊娠中で、審査終了時にまだ出産に至っていない場合の申請は残念ながら却下されます。
以前にあったケースでは、妊娠中期に審査終了した申請者は国外退去処分になっていました。
と言うことからすでに子供が誕生している、すなわち“スウェーデンで生まれた子供の保護者(申請者)が必要か”という点が鍵になります。
2015年から2017年頃であれば、審査待機期間が1,2年ほどかかっていましたので申請が通るケースもありましたが、ここ数年は申請待機時間が数ヶ月、早くて1ヶ月で下りるので、子供が誕生していない場合は申請が通らない可能性が非常に高いと思われます。
そして、この申請待機期間にもう一つ問題となるのが出産費用の自己負担です。
以前『無料で受けられる出生前診断【KUB test】』の記事で、妊娠・出産に関わる費用は無料とご紹介しましたが、全くかからない訳ではありません。
分娩で入院する場合、一晩の費用が患者(母親)が100クローナ(約1200円)、夫などの付き添い者は150〜500クローナ(約1800円から約6000円※地域によって異なります)がかかります。
それとクリニックから指定されたサプリメント等の購入も自己負担になります。
そして、スウェーデンでは『Folkbokförd(フォルクブックフォード*住民登録)』に登録されていない人は、分娩が全額自己負担ですので、出産後に6万クローナ(約72万円)請求されます。
この住民登録にはスウェーデンのパーソナルナンバーが必要です。
ですので、スウェーデンに居住していない方が出産するのはハイコストと国外退去のハイリスクがありますので、お勧めできる申請方法ではないですね。
※2019年3月の為替レートで換算
以上、ちょっとした居住ビザの申請裏話でした。いつもご愛読いただきありがとうございます!
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・氷河期は終わったかも? スウェーデンのビザ申請のいま【追記有り】
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