
※2019年3月6日加筆修正しました
スウェーデンでは妊娠した全女性は無料で出生前診断を受けることが出来ます※
こんにちは、Usa(@swedenjoho)です。
今回はスウェーデンの“妊娠・出産”に焦点を当てて行きたいと思います。
日本では賛否両論ある“出生前診断または出生前検査”ですが、こちらスウェーデンでは気軽に受ける方のほうが多いようです。
スウェーデンでは、妊娠した女性は妊娠11週から13週の間に出生前診断の一つ
『早期超音波検査 with KUB – Kombinerat Ultraljud och Blodtest』
と言う通称『KUB test(クブ・テスト)』を受けることができます。
“検査を受ける選択肢がある”と言うよりは、検査費負担がないため元々の妊婦健診にこのクブ・テストが組み込まれています。
クブ・テストは採血検査と超音波検査(エコー検査)を組み合わせた検査で、
■トリソミー21(ダウン症候群)
■トリソミー18(エドワード症候群)
■トリソミー13(パトウ症候群)
の3つの染色体について調べることができます。
検査ではこれら3つの染色体異常を調べられますが、トリソミー18、13に関しては胎内での生存が非常に厳しいため、妊娠継続が極めて困難です。
奇跡的に出産に至っても、生まれて間もなく亡くなってしまうケースがほとんどで、また滅多に見られない症例でもあるため、検査では特に触れられません。
よってクブ・テストでは主にダウン症候群に関して検査されます。
採血と超音波検査のみで検査ができるので、母体にも胎児にも危険は何一つなく安心して受けることができます。
このKUBテストと同じような検査は、近年日本の一部の病院でも行われているようで、“胎児ドック”や“血清マーカー検査”などが該当すると思われます。
日本ではそれらの検査に数万円の費用がかかるようですが、このKUBテストはもちろん無料で受けられます。
エコー検査は妊娠期間中に基本1回のみ
まず、胎児の様子が確認できる超音波検査ですが、スウェーデンを始め海外諸国では“超音波は胎児に少なからず影響がある”として積極的に受けることは推奨されていません。
そのため通常は妊娠期間に一度だけエコー検査を受けます。
スウェーデンでは通常妊娠18週から20週(妊娠5ヶ月)に一度、超音波検査を行いますが、ほとんどの方は出生前診断の“KUB test”を受けますので、妊娠12週あたり、妊娠4ヶ月に入ってやっと初めて超音波検査を受けることになります。
妊娠初期に出血があるなどの問題がない限りは超音波検査を受けられませんので、ほとんどの方は妊娠10週未満の小さい胎児の姿を目にすることはありません。
妊娠が分かってから待つこと数ヶ月、妊娠12週での胎児との初対面はかなり感動ものです。
※写真の妊娠12週ほどの胎児のエコー写真
妊婦健診などのクリニック代はかかりません!
クブ・テストに必要な血液検査は、エコー検査を受ける1週間前にクリニックで受けます。
その日はただ採血されるだけなのですが、試験管6本ほど抜かれます。検査結果は超音波検査と照らし合わせて伝えられます。
また超音波検査の日時指定は不可能で、病院から日時指定の手紙が自宅に届きますので、仕事など都合をつけて指定の時間に病院へ行きます。
超音波検査は医師ではなく助産師の方が担当してくれます。
このクブ・テストで、1000分の一以下の“染色体に異常有り”の検査結果が示された場合に
■『NIPT test(ニプト・テスト) – 新型出生前診断NIPT– Non-Invasive Prenatal Genetic Testing』を受けます。
クブ・テストの検査結果が50分の一以下の場合には染色体異常の確定検査が出来る
■『繊毛検査、羊水検査』を受けることになります。
KUBテストは染色体異常の確率のみの検査ですが、NIPTは『陽性・陰性の判定』になります。
この判定が陽性の場合にも『繊毛検査、羊水検査』を受けます。
この“新型出生前診断NIPT”は、日本でも受けることが出来ますが、検査費はおよそ20万ほどだそうです。
スウェーデンでは18歳以下の医療費は無料ですが、これら出生前診断の血液検査・エコー検査を始め妊婦健診・分娩費も無料になります。
(Image by Pixabay)
※話は変わりますが、写真の妊娠中女性が身につけている球体のシルバーアクセサリーは“Bola Gravidsmycke”という心地よいベルの音が鳴るアクセサリーです。スウェーデンでは定番の胎教グッズです!
いかがでしたか?
出生前診断は“命の選別”だとして非難される言葉も耳にしますが、誰しもが健康な赤ちゃんを望むのは当然ですし、医療技術がその手助けを出来るなら、検査を受ける選択肢があっても良いのではないでしょうか。
最後までお読みくださりありがとうございます^ – ^
※地域により妊婦全員が無料で受けられる地域と35歳以下は有料の地域があるようです。
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Photo by Andreas Wohlfahrt
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